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【医療】高血圧の治療 〜運動療法〜

高血圧の治療を知る上で、まずは高血圧を知ることから始めましょう。

以下に確認用の記事があります。

高血圧について、基本的な理解を深めてた上で、高血圧治療の基本は主に生活習慣の改善(運動療法・食事療法)と薬物治療があります。

ここでは生活習慣の改善に重きを置いてお話しします。

基本的な生活習慣の改善

時間がない人は大枠的以下のことを改善する事をオススメします。

⑴食塩摂取量の制限

⑵野菜や果物の摂取の促進

⑶飽和脂肪酸や総脂肪摂取量の制限

⑷体重減少(肥満の場合)

⑸運動・身体活動量を増やす

⑹アルコール摂取量の制限

⑺禁煙(受動喫煙防止も含む)

運動療法について

高血圧に対しての運動療法では、運動の頻度は定期的に(できれば毎日)実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。

運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます。

運動療法の効果

運動療法を行なうことで、血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られ、高血圧症を改善するといわれています。

また習慣的な有酸素運動をする事で収縮期血圧を3.5mmHg低下、拡張期血圧を2.5mmHg低下させ、高血圧患者においても収縮期血圧を8.3mmHg低下、拡張期血圧を5.2mmHg低下させる効果があるといわれています。

運動種目

ウォーキング(速歩)・軽いジョギング・水中での運動・自転車・その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動がメインとなります。

また軽度の筋トレ(息を堪えない程度でのスクワットなど)も有効です。

運動頻度・時間

定期的に(できれば毎日)、30分以上の運動を目標にしましょう。また10分以上の運動であれば合計して1日30分以上になれば良いです。

運動強度

低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍)で行う事が必要です。

その為、運動強度では中等度程度(ややきつい)の軽い運動が、運動中の昇圧幅が小さく、脱落者もなく、安全性、コンプライアンスの面で明らかに優れています。

運動中でも楽に話のできる程度の強さが一つの目安です。
脈拍数は一つの目安になります。
1分間の脈拍数が30歳代で120、40歳代で115、50歳、60歳代で110程度がおよその目安です。

その為、ウォーキングでもただ歩くだけでなく、少し早めにウォーキングを行なうなど意識するようにしてください。

また上記のような運動を急に実施するのは身体に与える負担が大きいため、普段から階段を使う事や、掃除、自転車で買い物に行くなどの生活活動のなかで身体活動量を増やすことを意識してみましょう

運動時間

運動療法での運動時間は、1週間あたりの総運動時間あるいは総消費カロリーで設定することが適当であるといわれています。

例えば1回の運動時間を長く設定し1週間の運動回数を減らすか、運動強度を低く設定し1週間の運動回数を増やすなどの設定を個人に合わせて考えることができます。

その為、1日で考えるより、長期的な視点を持って取り組むようにしてください。

運動を実施する上での注意点

⑴準備・整理運動は十分に行うこと

⑵お医者さんからメディカルチェックを受けて虚血性心疾患・心不全などの心血管合併症がないことを確認し、運動療法の可否を確認する

⑶個人の基礎体力・年齢・体重・健康状態などを踏まえて運動量を設定

⑷高血圧症の改善には運動療法だけでなく、食塩摂取量やアルコール摂取量の制限、禁煙などとの複合的な療法がより効果的な為、運動だけで治そうとは思わないように。

運動の種類

歩行、ランニング、水泳などの方が、腕立て伏せや重量挙げなど負荷が高い運動より良いとされています。

運動の種類として早歩き、水泳、サイクリングなどが勧められ、毎日30分程度行うのが実用的です。
このような運動を続けると10週間で50%の者は収縮期血圧20mmHg以上、拡張期血圧10mmHg以上の降圧を認めます。
また、運動での降圧は平均して11/6mmHgであるとされています。

高血圧改善のための運動療法は継続することに意味があり、中止すると1ヶ月以内に血圧がもとに戻るとも言われています。

高血圧患者さんは毎日軽度の有酸素運動を行うことが勧められますが、始めから無理をし過ぎても続きません。

まずは、自分の生活リズムを大きく変えずに出来ることから習慣づけられるように運動を続けてみましょう。

友人や家族と一緒に運動するのもオススメです。

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