近年、メンタルヘルスという言葉をよく聞くことがあります。そこで今回はメンタルヘルスについてのお話をして行きます。
メンタルヘルス
メンタルヘルスとは「心の健康」のことであり、特別な精神疾患の人の問題だけに限定されるものではありません。心の病気にかかっていなければ健康であるとは言えないからです。
「心が健康」というのは、ポジティブな気持ちが安定的に保たれ、意欲的な姿勢で環境(職場)に適応することができ、イキイキとした生活を送れる状態のことを指します
しかし、職場を取り巻く環境が大きく変化し、複雑な人間関係や長時間労働などのストレスによって、メンタルヘルスに不調をきたす人が増えてきています。精神科に行ってお薬をもらう人が多く、企業側も様々なストレスを最小にできるよう、従業員が抱える問題に焦点をあて、解決支援に取り組むことが求められています。
メンタルヘルスケア
メンタルヘルスケアとは、全ての働く人が健やかに、いきいきと働けるような気配りと援助をすること、およびそのような活動が円滑に実践されるような仕組みを作り、実践することをいいます。
ここで大事なことは全ての働く人を対象としていることが大切としていることです。
いきいきと働いている健康な人、勤務はしているが過剰なストレス状態にある半健康な人、ストレス関連疾患に罹ったり、精神障害の症状を呈している人、全ての人にその状態にあったケアをするものがメンタルヘルスケアです。
メンタルヘルスケアの実践
メンタルヘルスケアを実践するには全ての働く人が健やかに、いきいきと働くことができるように、必要なケアを実践して心の健康確保を図り、働く人とその家族の幸せを確保することが大切です。
職場でメンタルヘルスケアを実践していく目的で主なものは次のとおりです。
1.職場の生産性の低下の防止
メンタルヘルスが不調になると、仕事への意欲が続かなくなる、重要な決定事項が判断できなくなる、普段より仕事かかるようになるなど、本来その人が持っていた業務遂行能力を、十分発揮できなくなります。
多くの企業では長期休業者の3~5割がメンタルヘルス不調によると言われています。また最悪の場合は自殺や離職につながることもあります。メンタルヘルス不調に陥る人は、元もとは仕事熱心であった人も多いため、企業にとっては貴重な戦力を失うことになります。メンタルヘルスケアを実践することで、労働者自身によるストレスへの気づきのノウハウを身につけたり、メンタルヘルス不調を早期発見・早期対処できれば、これらの発生や悪化を防止することが期待できます。
2.生産性や活力の向上
メンタルヘルス不調に陥った人だけでなく、社員全員や組織を対象として職場環境改善を行ったり、組織開発を行ったりすることは、社員の労働生活の質を高め、仕事のモチベーションを維持し、生産性や活力の向上につながります。
3.リスクマネージメント
メンタルヘルス不調に陥ると、集中力や注意力の低下による事故・トラブルにつながります。
またメンタルヘルスの不調に対しての企業の対応が不適切だったために、メンタルヘルス不調を悪化させてしまった場合、労災請求や民事訴訟につながる場合もあります。
今は50人以上居る企業にはストレスチェックが義務付けられています。今後も健康診断と同じくらい、必須項目となってくるかもしれません。
メンタルヘルスケアを適切に実践していくことで、企業にとってもプラスに働くことが多いため、健康経営として実践している会社もあります。
精神面は不調に陥ると長引いてしまい、取り返しのつかない事になる可能性があるので、上手く予防出来るような環境作りが大切です。